感覚器官

あなたの眼であり耳であり舌であり指先であることも
わたしには出来る

あなたの眼と耳と舌と指先をすべて奪うことも
わたしには出来る

お好みはどちら？

勝手にしやがれ

あなたのために生きているけれど
あなたのために生活しているわけじゃない

Hades

彼はわたしの白くて繊細な指が好きだと言う
彼女はわたしの切れそうに鋭い言葉が好きだと言う
君はわたしの黒くて長い髪が好きだと言う
あの子はわたしの脆くて儚い優しさが好きだと言う
あなたはわたしの何もかもが好きだと言う

甘い甘い色とりどりのリボンで
わたしを縛りつけようとしないで

どうぞ　嫌いになって

飛びたいだけなの

指も髪も言葉も優しさも切り落として
全部置いていくから

 

Anemone coronaria

あなたはわたしの触覚が好きだと言う

わたしは思う
あれ　おかしいな
わたしに触覚なんてあったっけ

わたしはあなたにこの美しい羽根を見てと言う

あなたは言う
あれ　おかしいな
君に羽根なんてあったっけ

作家蔵「上槽」無事終了。

作家蔵「上槽」ご来場ありがとうございました。

「霙」で写真の展示、
「時雨舎with村田千尋＋森﨑文子」で朗読と音楽のコラボレーション、をさせていただきました。

朗読は、「組曲　光蜥蜴」と題して、いくつかの、自作＋相方作の文章と、敬愛する作家の言葉を散りばめた、コラージュのような作品にしてみました。
音楽に言葉を乗せる、ということは初めてでしたが、音と言葉の化学反応は、きっと起きてくれたと信じています。

写真はいつもと少し違う感じのものを。気がついたら、赤い花の写真ばかりを集めていました。
それにもきっと何か意味があるのでしょう。

新しいプロジェクトのお話もいただいたり、中から持ち上がったり。

もう少しだけがんばってみようと思えた1日でした。

かかわっていただいたすべての皆様に感謝を。