something RED

しあわせなことがおおければおおいほど
すきなひとがやさしければやさしいほど
まっかないちごがあまければあまいほど
あしたがこなければいいのに、とおもう

腕からしたたるあかいものをたぐりよせながら
あかくひかる錠剤をたくさんのみこんでねむりについたら

きっと　あしたはこない　かな

defect

完璧な人間なんていない、と人は言う。
不完全さが君の魅力なのだ、とも言う。
だけど私に欠けているものは、きっと大きすぎる。
むしろ私には何があるというのだろう。

息をするたびに私は削られ、流されて飛ばされて、消えていく。

拾い集めた声で、肌で、心で、
どうしたらあなたに触れることができますか。
この眼すら、もう私のものではないのに。

special thanks to M

poisoned chocolates

もしかしたら会えるかもしれないあの人のために
ポケットにチョコレートをしのばせた

すこしずつ、すこしずつ、殺してあげる。
だって、なんにも欲しくないもの。

途絶えた夜想曲

真っ赤ないちごを迷いなくつまんでしまえる
君のようになりたいんだ

まっすぐに歩くだけで息が上がる私を置いて君は
軽々と流行りのスカートを翻して走っていく


甘いものなんて本当は好きじゃないんだけど

暁の明星

ひなげしの花を手渡され、少女は楽園を追われる。
淡いピンクに彩られた爪は、もう、彼女だけのものではない。