dear your future

眠るのがこわいのは、
ほんとうのわたしを見られるのがこわいから。
ほんとうのわたしのことばを口走るのがこわいから。
わたしも知らないほんとうのわたしがこわいから。

わたしが眠るときにはどうか世界も眠っていてね。

すこしでもきれいなわたしをあなたに見せたいだけの、
わがままな願いをどうか聞き届けて。

Gerbera

どこに歩いていけばいいのかわからないけれど
歩みを止めたらきっとわたしはもう動けなくなるから
とにかく　とにかく　歩くのだ

片方脱げたガラスの靴も
汚れた白いワンピースも
髪にからみつく膿んだ蔦も
きれいな思い出と醜い情欲の詰まったトランクも

なにもかもをふりきって
わたしは　ひこうきぐもになる
どうか　あなたのこころに残りませんように

…ねえ　でも　どうしよう　
歩くのって　どうやるんだったかな

crossing

出会うこと。
別れること。
もう一度出会うこと。
もう二度と会えなくなること。

全部、大事に、したい。

だから君に会いに行く。
君の記憶がもっともっと、欲しいから。

生きているっていうのは、きっとそういうことでしょう？

 

罪の果実

甘い？それとも苦い？

 

ぬすまれた花

あなたは言いました
花ぬすびとも、ぬすまれた花も、どちらの罪も同じだと
だから自分だけを責めないでと

でも知っていた？
ぬすまれた花にはもう　咲ける場所なんてないってこと
あなたの手のなかで枯れていくしかないってこと

せめて枯れてしまうまでのまばたきのいとま
あなたのそばに　きれいに飾っていてほしかったのに