賞味期限

 









欲しいものを何もかも手に入れることなんて、
どうやったってできないんだ　ってこと、
忘れてしまっていた。

我慢することも思い出さなきゃいけない。

でも、一度手にしたものを返品するのって、
すごく勇気がいるんだよね。
そうでしょう？

賞味期限がとても短いものだから、
その時まで　手元に置いて欲しかったのに。

甘い蜜

 









この次に止まれる花は、わたしには、ない。

inordinate ambition

お姫様になれない女の子は魔女になるしかないんだと
聞いたのはいつのことだったか

おあいにくさま、わたしはもうとっくに魔女
ずっとずっと前からね

魔力が衰えた魔女は朽ちるだけ
みずからの血とつめたい珈琲だけじゃ、
もう生きていることすらできない

無理矢理にでも貴方の眼を抉ってくればよかったとでも？

傷つけるのがこわくて　触れることすらできなかったのに？

魔女のくせに、
普通の女の子になりたいだなんて
だいそれたことを願った　罰かしら。



 
 

 

farewell note

ごめんなさい　を言わないといけないのは、　
わたしのほうだったのに。

さよなら、ありがとう、
光の世界から来たひと。

ねえ、最後にお願い。
わたしのこの目を　どうか潰してください。
もう　あなたを見なくて済むように。

ごめんなさい　を言わないといけないのは、
あなたをもっと　好きになってしまいそうだから。

はじまってもいないのに

 












もう終わりを感じている